そして秋

きのうの台風のせいでせっかく開いた砂糖菓子のような金木犀のオレンジはみんな茶色くなって香りと一緒に地面にはりついている。
ぬかるみに足を取られて踏み込んだそこにも鮮やかな色の四弁が無数に散らばっていた。
敷き詰められたオレンジが少しずつ褐色にそして朽ちていくさまを見るに耐えなくて目をそらした。