故郷にて

変わってるのも変われないのも自分だけだと思ってた。父さんも母さんもじいちゃんもばあちゃんも。みんな少しずつ年を取る。ゆっくりと沈んでいくように少しずつ、少しずつ。 帰る場所のあることがたった一つの救いだと思っていたけれど、どうやらそれが一番の弱みらしいと認めてしまうのがおっかない。 背なんか10年も伸びちゃいないのに、帰るたび低く感じる階段が水道がひどく怖い。懐かしいのが怖い。手付かずのまま放置されてる自室が怖い。

なんだかとてもいろいろなことがおっかなくて仕方ない。