演劇企画集団THE・ガジラ「ゆらゆら」

@ベニサン・ピット
主演:市原悦子
出演:若松武史, 高田恵篤, 津田健次郎, 池下重大, 加地竜也, 小林勝也


狂気と正気の境目なんてない。
ありふれた狂気。恐ろしくて愛しい、ほんの少し可笑しくもある。
狂気は異常ではない。
違っている事が"異常"と呼ばれるのならば正常さすら存在しない。
誰が決めた? 誰がそれを決めた?


JR両国駅に行くのに、秋葉原で反対方面の総武線に乗りました。馬鹿です。
さておき圧巻、それに尽きる。
ひとりひとりの圧倒的な存在感。生きた人間がそこに居る、ということの大きさ。緊迫したシーンに似つかわしくないほど平然とした母親(市原さん)の言葉に、客席からは時折笑い声も起こるけれど、笑い声が何も救えないような闇と静けさ。 俺はただ寒くて寒くて、笑う気にさえなれなかった。
つんちょが最年少、っていうのも最近なかなかないので、どんなもんだろ? と思っていたんだが、邪念雑念を差し挟む余地ゼロ。暗いし怖いし難しいし、奇抜な演出ながら他人事だフィクションだと切り離すことの出来ないリアルさ。

幸運にもかなり前方で観劇できたためか、舞台上の「匂い」がとても印象的だった。
魚の生臭さ、蚊取り線香、煙草の煙、そして水の匂い。 ガジラの舞台はもう少し観てみたいなあ。